陸上男子100メートルの前世界記録保持者、アサファ・パウエルらジャマイカの陸上5選手が、ドーピング検査で陽性反応を示したことが14日、分かった。ロイター通信が報じた。2007年世界選手権優勝のタイソン・ゲイ(米国)も同日、陽性反応を示したことを明らかにし、8月の世界選手権(モスクワ)を前にトップ選手から相次いで禁止薬物が見つかった。

 30歳のパウエルは声明で、6月のジャマイカ選手権で興奮剤オキシロフリンに陽性反応を示したことを表明。世界選手権出場が不可能となったことを認めたが「ルールを破るような物質を故意に摂取していない。不正の意図はなかった」と弁明した。

 パウエルは05年6月、9秒77の世界新をマークし、07年9月には9秒74に更新。08年5月にウサイン・ボルト(ジャマイカ)に破られた。

 30歳のゲイは、12日に米国反ドーピング機関から5月に禁止薬物が検出されたことを知らされた。6月の全米選手権で9秒75の今季世界最高をマークしていたが、世界選手権は欠場する。

 女子短距離で五輪のメダル3個を獲得しているシローン・シンプソン(ジャマイカ)も陽性反応を示した。