吉田香織(29=アミノバイタルAC)が、お笑い芸人・猫ひろしを刺激に、世界の壁を乗り越える。横浜国際女子マラソンは今日20日、山下公園前を12時10分にスタート。8月世界選手権(韓国・大邱)の選考を兼ねており、日本人1位で2時間26分を切った選手が内定する。19日に最終調整を終えた吉田は「調子は悪くない。26分を切れば来年のロンドンにもつながる」。自己ベストは2時間29分45秒だが、目標26分という強気な姿勢の裏に、なんと「猫」がいた。

 積水化学時代は小出義男監督の門下生。06年北海道で初マラソン初優勝を飾り、「Qちゃん2世」とも呼ばれたが、伸び悩んだ。紆余(うよ)曲折を経て、市民ランナーも所属する現クラブ入り。そこで猫と出会った。ベストが2時間50分を切る猫に「多忙な中で時間をつくり練習に励む。人として尊敬できる」。最終追い込み練習も、27日の東京マラソンに参加する猫と走ったほどだ。

 「私は気持ちを出すタイプではないけど、ドンと構えていきます」。これも猫効果?

 いつも明るく前向きに、吉田が世界切符に飛びかかる。【佐藤隆志】