<陸上:出雲陸上>◇20日◇島根・浜山公園陸上競技場◇招待男子100メートルほか

 陸上男子100メートルで日本初の9秒台を狙う桐生祥秀(18=東洋大)が、Vデビューを飾った。同種目の大学初戦で、追い風1・8メートルの予選は10秒33で1着通過。追い風0・6メートルの決勝では10秒26とタイムを上げてトップでゴール。例年の5倍となる約5000人の観衆の前で塚原、高平ら五輪経験者を相手に優勝した。

 伸ばした前髪を逆立てて駆け抜けた。10秒61だった昨年の初戦タイムを大幅に短縮した。「10秒2台を狙っていた。レベルの高いレースから始めたことはプラス。次はベストか、ベスト近くを出せるかなという手応えがある」と口にした。

 大会は吉岡隆徳記念と銘打たれている。「暁の超特急」と呼ばれた同氏は32年ロサンゼルス五輪で日本人唯一の同種目決勝進出者。土江コーチは「20年東京五輪でファイナリストを目指す中、吉岡記念でスタートしたことに意味がある」。

 次戦は昨年、日本歴代2位の10秒01を出した織田記念国際(広島)。昨年と同じ4月29日に行われる。「ジェット桐生」は「去年も1試合出て織田記念。同じ流れなので。自信を持ってレースに臨む」。今年も4・29に桐生ジェットがスパークする。【益田一弘】

 ◆昨年の桐生初戦

 洛南高3年の桐生は、4月13日に京都府高校春季大会に出場。向かい風2・2メートルの中で10秒61で優勝。この大会で試運転を終え、同29日の織田記念国際で初のシニア大会に臨み、予選で日本歴代2位の10秒01(追い風0・9メートル)をたたき出した。