<自転車:ツール・ド・フランス>◇第16S◇162・5キロ◇サンポール・トロワ・シャトー~ガップ◇19日

 アルプスの山岳ステージ初日は、トル・フースホフト(33、ノルウェー=ガーミン・サーベロ)が3時間31分38で制した。フースホフトは第13Sに続く2勝目、ツール通算では10勝目を挙げた。2位には、エドバルド・ボアッソンハーゲン(24、ノルウェー=チームスカイ)が、3位には、フースホフトを最後までアシストしたライダー・ヘシェダル(30、カナダ=ガーミン・サーベロ)が入った。

 フースホフトのチームメートで、3位に入ったヘシェダルの献身的なペースメークが、フースホフトに2勝目をプレゼントした。ヘシェダルはフースホフトのために、残り62キロから逃げた10人ほどのグループのペースをコントロール。ラスト1キロまで、ライバルたちをけん制しながら、チームのエースへお膳立て。フースホフトは最後、自分のタイミングで飛び出すだけだった。フースホフトのゴール入線直前、ヘシェダルは勝利を確信し、拳を高々をあげた。

 勝ったフースホフトは「今大会、7日間もイエロージャージを着たし、2勝目を挙げることができた。言うことないし、これ以上のことはないよ」と満面の笑みで語った。

 総合成績では、トマ・ボクレール(32、フランス=ヨーロッパカー)が、合計69時間59秒でマイヨ・ジョーヌ(総合1位)を守ったが、ステージ中盤で総合優勝を狙うカデル・エバンス(34、オーストラリア=BMCレーシング)やアルベルト・コンタドール(28、スペイン=サクソバンク・サンガード)が、メーン集団のなかで激しいスプリントを展開。その結果、現在、2位のエバンスが1分45秒差まで迫るなど、残りのステージは、目が離せなくなった。