<高校総体:サッカー・立正大淞南2-2(10PK9)山梨学院大付>◇30日◇秋田・八橋運動公園球技場

 立正大淞南(島根)が2年連続でベスト8に進出した。2年前の選手権で優勝した山梨学院大付から2点を先行したが、途中出場の超高校級FW白崎凌兵(3年)に1得点1アシストされて追いつかれた。南健司監督(41)は「思い切りいけ」とだけ言い残してPK戦は見ず。11人の死闘を10-9で制したのを歓声で知ると「見ないで勝てるなら安いもの」と喜んだ。

 勝った瞬間、選手たちが目指したのはバックスタンドの控え選手。「全員で戦っているので」とMF稲葉修土主将(3年)。試合前も、後半開始前も、ベンチ前の円陣はなく、控え選手たちと健闘を誓い合う。日体大から赴任して19年目の南監督は「それが僕が作った伝統です」と笑った。

 GK矢島も含め4人が160センチ台。「一番体が大きく見える長さだから」(南監督)とユニホームの袖を21センチで切るなどアイデア豊富な南監督に率いられ、チームは着実に成長した。昨年度の高校選手権では島根県勢初のベスト4進出。高校総体も、あと1勝で同県過去最高だった80年の松江南に並ぶ4強になる。「それを超えたいです」。強豪に競り勝った自信を胸に、稲葉主将は言い切った。