リオデジャネイロパラリンピックにつながる勝利となった。日本が英国を57-43で快勝し、予選リーグから全勝で優勝した。

 世界ランキング4位の日本が、5位の英国に「力の差」を見せつけた。序盤から攻撃の要の“池池コンビ”こと、キャプテン池透暢(35)からエース池崎大輔(38)に渡る15メートル超のロングボールからの得点で英国を圧倒。2人で32点の大量得点をマークした。守備でも相手を転倒される攻撃的なタックルを連発し、攻守で活躍した。池崎は「ランキングは1つ違いですが、大差で勝てて、力の差を証明できた。初戦からチームの勢いが衰えず、一体感があって良かった」と振り返った。

 この日は、日本障がい者スポーツ協会(本部・東京都中央区)が設立されて丸50年の日となる。「優勝という最高のプレゼントができた。運命なのかもしれない…」。池崎は感慨深く言った。

 萩野晃一ヘッドコーチは選手を褒めたたえた一方、「ここで満足してはいけない。トップ3(オーストラリア、カナダ、米国)に入るためにも、メンタル強化やトレーニング方法を変えないといけない」と、気を引き締めた。

 日本代表は7月に米国遠征、10月末には千葉市で開催される、リオ大会の出場権を争う「アジアオセアニアゾーン選手権」を控えている。池崎は「ホーム(日本)は気持ちも上がるので、10月も勝ってリオへつなげたい」と気合を入れた。

 同大会は英国のほか、デンマーク(世界ランキング6位)、ニュージーランド(同8位)の計4カ国が出場。日本は予選リーグ、準決勝、決勝と全勝の5勝した。

 ウィルチェアーラグビーは1977年にカナダで考案され、欧米で普及した。国内では97年から始まり、全国で9チームある。四肢に障害がある選手が1チーム4人で、バスケットボールのコートを利用する。バレーボールを改良したボールを持った選手が、車いすで相手側のゴールラインを突破すると得点になる。タックルも認められており、その激しさから欧米では「マーダーボール(殺人球技)」とも呼ばれている。