団体ボール競技の活性化を目指す日本トップリーグ連携機構は29日、都内で総会を開き、副会長だった川淵三郎氏(78)を新会長に選んだ。バスケットボールの改革に手腕を発揮し、今月から日本協会会長に就任した。今後はハンドボール、ホッケー、バレーボールとガバナンス(統治)と強化に問題のある競技団体の改革に着手する。

 川淵新会長は「問題ある団体を絞った。まずハンドボールから」と明言。先月、男子代表が味の素ナショナルトレセンの禁煙エリアで喫煙する問題を起こした。男子は88年ソウル、女子は76年モントリオール以降五輪から遠ざかるなど強化も進んでいない。「たるみが出ている」とガバナンスから強化を立て直す。

 同機構では昨年、日本サッカー協会副会長でJOC選手強化副本部長の田嶋幸三氏をリーダーに置いた「2020強化支援プロジェクト」を発足。ラグビーの平尾誠二氏、サッカーの岡田武史ら、同プロジェクトのメンバーが、JOCなどの協力を得て改革を主導していく。ハンドボールを終えた後は、長らく分裂騒動が続くホッケー協会、2期連続で不可解な会長交代のあったバレーボール協会がターゲットになる。

 川淵改革の成果で、国際連盟から無期限の資格停止処分を受けた日本バスケットボール協会の処分は来月にも解除される見込み。川淵新会長は「何で(どの団体も)選手第一で考えないのか。その怒りを今度はハンドボールにぶつける」。10月に発足するスポーツ庁の長官の有力候補でもある。「バスケットでスポーツ界の横ぐしはさせた。(他団体の)組織の中に手を突っ込んで変えていく。本気でやる」。サッカー、バスケットボールに続き、スポーツ界全体に剛腕でリーダーシップを発揮していく。【田口潤】