2020年東京五輪の追加種目選定は22日、8つの候補に絞り込まれた。検討会議の御手洗冨士夫座長は、選考理由の説明で「若者」というキーワードを繰り返した。1次選考は、若い世代のスポーツ離れに危機感を募らせる国際オリンピック委員会(IOC)の意向を色濃く反映した。

 サーフィンは世界に3500万人超の愛好者がいるとされ、ファッション性の高いマリンスポーツとして若者に浸透している。岩壁を登るスポーツクライミングはジムの開設が拡大しているニュースポーツの代表格だ。ローラースポーツには北米を中心に人気の「夏季Xゲーム」で実施されるスケートボードが含まれる。野球・ソフトボール、空手が順当に選ばれる一方、国内では競技というよりも若者の文化というイメージが強いスポーツも最終選考に駒を進めた。

 IOCは今月、18年平昌冬季五輪の新種目に「冬季Xゲーム」で行われているスノーボードのビッグエアを選んだ。御手洗座長は「若者は(IOCの)評価基準でも一番重要。時代は移るし、今の時代に適合したものもあるのではないか」と指摘した。

 書類審査のみで絞り込んだ1次選考と違い、大会組織委員会の武藤敏郎事務総長はヒアリングを実施する最終選考で「競技会場について、かなりウエートをかけた議論が行われると思う」と語った。IOCは昨年12月に承認した五輪改革で既存施設の活用を促しており、実施に伴う経費が重要な判断材料として加わる。

 組織委の森喜朗会長は日本で人気の野球・ソフトボールについて「かなり有力」と踏み込んだ発言をし、1次リーグの地方開催を推し進める考えまで示している。国内選考における“本命”は揺るぎそうにないが、若者重視の流れはニュースポーツにも希望を抱かせている。