同期愛で再び世界の頂へ。柔道の世界選手権(24日開幕、カザフスタン)日本代表が19日、成田空港から出発。初日に登場する女子48キロ級の浅見八瑠奈(27=コマツ)の左腕には、見慣れないブレスレットが巻かれていた。「サプライズで、ものすごくうれしかったんです。普段は石などはつけないけど、気に入って」。この日の朝に届けられ、すぐにお守りとなった。

 送り主は山梨学院大で同期だった浜口光さん。妊娠中のために観戦ができず、代わりに贈った品だった。07年から11年まで通った同大での同期は8人。現役を続けているのは浅見1人だけだ。周囲の夢を背負って戦い続ける27歳は、「金色がきれいですよね。がんばらなきゃ」と感慨深げ。初めて世界選手権を制した東京での10年大会。浜口さんが付き人だった。

 11年大会では2連覇しながら、ロンドン五輪の代表落選。13年の世界選手権では決勝で一本負け。引退も考えた時期もあったが、いまは16年リオデジャネイロ五輪での優勝へと心は定まる。4年ぶりの世界女王は、その重要な懸け橋になる。「金を取りたい」。大切な贈り物への誓いが、支えとなる。【阿部健吾】