遠藤利明五輪相が25日、2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場の計画見直しを巡り、国際オリンピック委員会(IOC)のジョン・コーツ副会長との会談後に取材に応じ、座席数は8万人規模が妥当だという考えを示した。

 コーツ氏が「IOCとして8万人を要求しているわけではない」と話したことを受け、遠藤氏は「サッカーとかラグビーとか個々の種目の人数は6万人とかありますが、少なくとも選手の皆さんが(入場)行進をしてその後、会場に座れるようにする。あるいは(カメラ設置席周辺など)直接観客を入れない席も必要になってくる。そういうことを積み上げていくと、先ほどのような数字(8万人)が出てくるのだと思います」と話した。

 IOCや組織委員会の森喜朗会長から、政府が20年4月としている完成時期を、同1月に短縮するよう強く要請を受けた。遠藤氏は、今週中にも開く関係閣僚会議で公表する新整備計画には「20年4月」と盛り込む方針は変えないと話す一方、コーツ氏の要請を「重たい要請」として受け止め、安倍首相に伝える。

 9月初めにも公募する設計施工一体型コンペの要項でも「20年4月」を工期とするが、「できるだけIOCや組織委員会の要望に応えるため、日本の建築会社の方にも協力を願いたい」と工期短縮ができる業者の申し出を期待した。工期短縮により発生する人手不足や資材不足で、再び総工費が膨張する恐れを指摘されたが、遠藤氏は新整備計画で公表するコストの上限が絶対との考えを示した。