世界6位の錦織圭(25=日清食品)が3回戦で敗れた。過去3戦全勝で同10位のアンダーソン(南アフリカ)に6-7、6-7のストレートで敗れ、8強入りを逃した。これで、今季上位8人が権利を得る11月15日開幕のツアー最終戦ATPツアー・ファイナル(英ロンドン)の出場権確定は持ち越しとなった。次戦は26日からのスイス室内(バーゼル)に出場予定だ。

 錦織は“重症”かもしれない。ピンチはしのげるが、チャンスをものにできない。8月下旬の全米オープン1回戦、先週の楽天ジャパンオープン準決勝に続き、この日も、リードしながら大事なポイントを取りきれない。昨年、今年の前半で見せた勝ちきる強さが影を潜めた。

 第1セットのタイブレーク、さんざん好機は転がっていた。2-0リードで簡単なミス。6-5のセットポイントでは、相手の第2サーブをリターンアウト。9-8のセットポイントで自分のサーブでは、タイブレークで初めて第1サーブが入らず。大事なポイントで「悔しいのは思い切り打てなかったこと」と、必ずミスが続いた。

 全体的なプレーは「サーブも入っていたし僕も悪いテニスではなかった」。しかし、勝ちきれないことで自信を失い、焦る悪循環が続いている。これを抜け出さない限り、上位進出は見えてこない。ロンドンまで残り2大会。正念場だ。