立命大(関西)が西南学院大(九州)を48-17で退け、5年ぶり9回目の甲子園ボウル(12月13日、甲子園)出場を決めた。

 エースRB西村七斗(ななと、2年)を温存。それでもQB西山雄斗(2年)が43ヤードのパスでTDを演出するなど、計6TDで振り切った。東日本代表の早大には5月、オープン戦で0-24と完封負けを喫した。屈辱を胸に、聖地でのリベンジを狙う。

 数少ない収穫の中で、QB西山の1本のパスが際立った。7-0と苦戦していた第2クオーター(Q)47秒。ゴールまで43ヤードの中盤から美しい弾道で放たれたボールが、WR近江の手に収まった。主導権を握るTDで関西王者が落ち着きを取り戻す。「もう少しランが通ると思っていたけれど、パスが多くなった。決めきれなかった反省をしないと」。司令塔は反省点ばかりを並べたが、ロングパス成功の効果は絶大だった。

 温存したエースRB西村七の影響が大きかった。第3Q途中には21-10と追い上げられる展開。米倉監督は「ランを止められた。(関学大戦との)違いは西村が出ているか、出ていないかだけ」と攻撃陣の力不足を嘆いた。22日に関学大の関西学生リーグ6連覇を止めてから1週間。田辺主将は「余韻に浸りすぎた」と厳しい表情で首をかしげた。

 早大には5月に完敗。23日には付属校の早大学院が関東大会6連覇と、強化が実を結びつつある。西山は京都・立命館宇治時代から「エンジの壁」に6戦全敗。それだけに「やり返したら日本一。絶対に獲得したい」と熱い。苦戦の反省を糧に、2週間後へ仕切りなおしだ。【松本航】