日本女子期待の新星で、世界104位の大坂なおみ(18)のリオデジャネイロ五輪出場が現実味を帯びてきた。12年全仏準優勝で同18位のエラニ(イタリア)に6-1、6-3で快勝する金星を挙げ、4月4日発表の最新世界ランクで初のトップ100入りを確実にした。次戦は同49位のバボシュ(ハンガリー)と対戦。

 圧巻だった。圧倒的なパワーで、大坂が全仏準Vのエラニの防御を粉砕した。65分、わずか4ゲームしか落とさない快勝劇に「本当にハッピー。すごくうれしい」。現在、日米の二重国籍だが、勝利の瞬間は日本流でぺこりとおじぎした。

 武器の爆弾サーブがさく裂した。180センチの長身を生かし、第1セットは3度の自分のサーブで、1ポイントも失わない圧巻の“完封”。第2セット、最初のサービスゲームの途中まで、サーブで14連続得点をあげ「攻撃的に行けた」と笑みを浮かべた。

 この金星で次の同ランクは95位前後、さらに次戦に勝てば85位前後に上昇し、リオ五輪出場も見えてくる。現時点の同ランクで仮定すれば、65位が五輪出場権ライン。残り2カ月で約30位前後、同ランクを上げることは十分に可能だ。

 大坂には有利な条件もある。17歳だった昨年は年齢制限で出場大会数が限られていた。そのため、五輪出場の対象となる残り約2カ月で、同ランクの合計点から1年を経過して失効する減点は少ない。今後は勝てば勝つほど点が加算され、同ランクは上がっていく。

 米国協会もその才能にほれ込み、米国代表へのラブコールを送るが、本人は日本代表を熱望する。夢は「日本代表で東京五輪に出ること」と言う。快進撃を続ければ、東京の前にリオでその夢が現実になる。