日本オリンピック委員会(JOC)は20日、東京・北区の味の素トレセンで、トップアスリート就職ナビゲーション100人就職記念シンポジウムを行った。

 11年から開始した同事業は、五輪や世界選手権などを目指すアスリートの生活環境を安定させ、競技活動に専念できる環境を整えることが目的だ。

 「アスナビ」で採用された4人が「就職アスリート座談会」に参加。競泳女子自由形の日本記録保持者で、12年ロンドン五輪では400メートル個人メドレーで銅メダルを獲得した上田春佳さん(27)は、11年4月にキッコーマンに入社した。13年末に引退後は社業に専念しており、コーポレート・コミュニケーション部で「東北復興」「食育」事業に従事。「現役の時は社会人で会社に給料をもらっているから結果を出さないとという自覚が持てた。今後は復興支援で出前授業を開き、食などをテーマにいろいろと伝えられればいい」と意気込んだ。

 7人制ラグビー女子日本代表として、リオ五輪出場権獲得に貢献した横尾千里(23)は15年4月にANAに入社。「仕事は月に1、2度行ければいいほうですが、リオ五輪予選には会社の方が大勢来てくださって心強かった」と感謝した。

 現在は75社に103人が社員雇用されており、夏季五輪種目ではフェンシングの8人、冬季五輪種目ではアイスホッケーが15人で最多。パラリンピック種目も15人採用されている。JOCは19年度までに300人を目標としている。