ドーピング違反による処分解除後も3年は代表になれないとする韓国の国内規定で、リオデジャネイロ五輪への道を絶たれた北京五輪の競泳男子400メートル自由形金メダリスト、朴泰桓選手(パク・テファン=26)が2日、仁川(インチョン)市役所で記者会見し「国家に奉仕できるよう、もう一度だけチャンスを与えてほしい」と土下座で五輪出場を訴えた。聯合ニュースが伝えた。

 筋肉増強効果があるテストステロンに陽性反応を示した朴選手は国際水連から1年6カ月の資格停止処分を受け、3月で処分期間を終えた。

 韓国の国民的英雄の五輪出場を阻む国内規定に対し「二重処罰だ」として改定論も出ていたが、韓国オリンピック委員会(KOC)は規定の維持を決定。朴選手側も受け入れる姿勢を示していたが、復帰戦だった4月末の国内大会で五輪参加標準記録を上回る好記録で4冠を達成したことで、議論が再燃した。

 かつての朴選手の所属先だった仁川市の劉正福市長は会見で「既に国際水連から処罰を受けている。似た二重処罰の事例で規定が変更され五輪出場が可能になったケースがある」としてKOCに判断の撤回を求めた。