競泳のジャパン・オープン第1日は20日、東京辰巳国際水泳場で行われ、女子100メートル平泳ぎでは、渡部香生子(19=JSS立石)が1分6秒75で優勝した。大会前の合宿で、先月引退した北島康介氏(33)から五輪への心構えを授けられた。「金言」に勇気を得たこともあり、一時の不調からは完全に脱した。

 心からの笑顔が復調を物語った。渡部は女子100メートル平泳ぎで、前半から攻めのレースを展開して2位金藤に完勝。自身の先月の日本選手権優勝タイムには0秒18届かなかったが「日本選手権が4割なら今は7割」とタイム以上の状態の良さを実感した。

 冬場の不調の出遅れを取り戻すため、先月下旬から予定外だったスペイン高地合宿を敢行。さらに大会前の合宿では北島氏から「金メダルを取る方法はない」と説かれた。昨年の世界選手権200メートル金メダル獲得以降、重圧を感じていただけに「考えすぎてもよくない」と「金言」で心の重荷も取れた。昨年の世界選手権は4位もメダルに100分の1秒まで迫った。「100メートルでもメダルはゼロではない」と手応えをつかんだ。今大会は本命の200メートルを含めて5種目に出場するが、上々のスタートを切った。