9年ぶりの優勝を狙う日本男子は準決勝で英国を2-0で下して、決勝進出を果たした。

 右ひじの手術から復帰した世界ランキング5位の国枝慎吾(32)はシングルス2番手で登場。

 同ランキング13位のヒューウェット(18)を相手にフルセットまで持ち込まれるも、最終セットを6-1と圧倒して勝利した。28日に決勝でフランスと対戦する。

 苦しみながらも、英国の若きエース相手にグランドスラム最多39回の優勝を誇るレジェンドが経験の差を見せつけた。調子が上がらずに第2セットを落とすも「チャンスボールを2バウンドまで待ってしまっていた。打つ姿勢も立ってしまっていた」と不調の原因を分析した。そこで最終セットは体勢を前かがみにした。「少しは自分のテニスのフォームに近いものが出ていた」とさっそく成果を実感して、圧倒的なテニスを披露した。

 丸山弘道コーチは「今までの経験は実力に入る。最後のセットは国枝らしい。自分を鼓舞するような動作が最初はなかったが、最後はガッツポーズが出た。試合感を取り戻していた」と、エースの仕上がり具合に満足した。しかし「浮き沈みがセットごとにある。いかにまっすぐな状態にするかが(リオデジャネイロ・パラリンピックまで)残り3カ月の課題」と指摘した。

 国枝も「3セット目は50点くらい挙げてもいい」と厳しく自己評価した。決勝では好敵手のウデとの対戦が予想されるが「どれだけ腕が上がっているか楽しみ。ネットを挟んで見極めたい」と意気込んだ。