木村沙織、今季で引退意向も当初リオで最後だった

　日本女子バレーボール界のエースで、１２年ロンドン五輪銅メダルなど、０３年から日本代表としても活躍してきた木村沙織（３０＝東レ）のラストシーズンが、いよいよ開幕する。

　実は、２９日開幕の女子Ｖ・プレミアリーグに出場しないまま、リオデジャネイロ五輪後に、そのまま現役引退する可能性もあった。２８日に東京体育館で行われた女子Ｖリーグ開幕前日会見に出席した東レの菅野幸一郎監督が「五輪にかける思いが強かったので、もうバレーは十分という気持ちになっていた」と明かした。同じくロンドン五輪や、リオ五輪でも日本代表として活躍した迫田さおり（２８＝東レ）も同様だったという。

　だが、同監督が熱心に説得を続けた。心は前を向いた。「Ｖリーグ５０周年の記念大会なので、頑張っているところを皆様に見せたいという気持ちになってくれました」。リオから帰国後は、久しぶりにバレーボールから離れた生活。友人と交流したり、自部屋で飼う３匹のトイプードルとの時間を増やしてリラックスするなどして、バレーボールへの活力を得てきた。

　東レの開幕戦は３０日のＰＦＵ戦（東京体育館）。再発進後の準備期間は短く、体調は万全ではない。「だが、若い選手が簡単に追いつく選手ではない。練習がいまいちでも、本番に強い選手なので、そこに期待しています」。先発起用が濃厚となった。

　１１－１２シーズン以来、５季ぶりの優勝を、木村自身の花道とするつもりだ。前回の優勝後は、トルコリーグに所属するなどの経験を積み、昨季から復帰。妹のリベロ美里と同じコートに立って、喜びを分かち合うことも目標の１つだ。

　１０日のブログでは「今年で５０周年を迎えるＶリーグ。ここを自分のバレーボール人生、最後の場所にしたいと思っています。また、東レアローズの一員でいられる事。いつも応援してくださるファンのみなさまの前でプレーができる事。ずーっと支え続けてくれた母の前で試合をし、妹と一緒にプレーができる事。とても幸せに思っています。また必死に頑張って突っ走りまーす。応援よろしくお願いしますっ」と思いを明かした木村。いよいよ、勇姿は見納めとなる。

　女子Ｖリーグは２９日に東京体育館で開催される久光製薬－日立戦で開幕。３０日には東レ－ＰＦＵ戦、トヨタ車体－ＪＴ戦、ＮＥＣ－岡山戦が行われる。レギュラーラウンドは来年１月２９日まで。ファイナルステージは同２月１２日に始まり、決勝は同３月１７、１８日（東京体育館）に行われる。

　東レのレギュラーラウンド日程は以下の通り。

　▽１０月３０日　ＰＦＵ戦（東京・東京体育館）

　▽１１月５日　岡山戦（埼玉・川越市総合運動公園体育館）

　▽同６日　ＪＴ戦（埼玉・川越市総合運動公園体育館）

　▽同１２日　久光製薬戦（千葉・船橋アリーナ）

　▽同１３日　トヨタ車体戦（千葉・船橋アリーナ）

　▽同１９日　日立戦（茨城・ひたちなか市総合運動公園総合体育館）

　▽同２０日　ＮＥＣ戦（茨城・ひたちなか市総合運動公園総合体育館）

　▽同２６日　久光製薬戦（青森・八戸市体育館）

　▽同２７日　ＰＦＵ戦（青森・八戸市体育館）

　▽１２月３日　日立戦（滋賀・ウカルちゃんアリーナ）