自動車のF1シリーズで初の総合優勝を果たしたニコ・ロズベルク(31=ドイツ、メルセデス)が2日、現役引退を表明した。自身初の総合優勝からわずか5日、電撃的な発表となった。

 ロズベルクは自らのフェイスブックで「(10月9日に日本GPの)鈴鹿で勝った時に、運命的な世界王者のタイトルを取ったら、私のキャリアを終わりにしようを考え始めた」と明かし、先月27日の最終戦・アブダビGPのレース前に「日曜の朝、これが最後のレースになるかもしれないと思ったら、レース前に頭がすっきりした。月曜日の夕方に(引退を)決断した」と経緯を説明した。そして支えてくれた妻ビビアンさん、マネージャーらに決断を伝えたという。声明では感謝の言葉とともに「25年に及ぶレーシング生活で、F1の総合王者という夢をかなえることができた。その目標をかなえるため、ハードワークをこなし、それは苦痛を伴うもので多くのことを犠牲にしてきた」などと引退する理由をほのめかした。

 ロズベルクは今シーズン9度の優勝、2位5回、3位2回という成績を収め、82年シーズンを制している父ケケ(フィンランド)に続く、F1では2例目の親子総合王者を決めたばかりだった。