穂積絵莉(22=橋本総業)加藤未唯(22=佐川印刷)組が、日本女子ペアでは全豪初のベスト4に進出した。ミリヤナ・ルチッチバロニ(クロアチア)アンドレア・ペトコビッチ(ドイツ)組に6-3、6-3のストレート勝ち。日本人女子同士ペアの4大大会4強は02年全仏の杉山愛、藤原里華組以来2組目だ。「ミユエリ」は、今日25日の日本時間午後1時以降開始の準決勝で日本女子ペア4大大会初の決勝進出を懸け、第2シードのマテックサンズ(米国)サファロバ(チェコ)組と対戦する。

 勝利の瞬間、コート上で2人が固まった。加藤はバンザイ、穂積は両手でガッツポーズ。数秒後、われに返った2人は駆け寄ってがっちりと抱き合った。「自分でももうびっくり。本当にうれしい」と穂積が言えば、加藤も「引かずに打ち返して行けた。すごくうれしい」。コートでは報道陣や観客のカメラに向けて仲良くピースサインするなど、お祭り騒ぎだった。

 2日前の3回戦で第1セットを奪った後、消極的になって第2セットを落とした。その反省を生かした。第2セットの2オールで、ペトコビッチのサーブの場面で「2人で話し合って」(穂積)リターンの陣形を変えた。身長156センチの加藤がネット際でちょこちょこ動き、168センチの穂積がストロークでパワフルに打ち合うのが得点パターン。そのパターンに持ち込むために仕掛けた。穂積の梅田コーチは「あそこがカギだった」と絶賛した。

 10年から組む2人は仲が良く、会見ではいつも笑いが絶えない。漫才に例えるなら穂積がつっこみで、加藤がぼけ。穂積が「いつも更衣室で同じトイレ、洗面台を使っている」と、験担ぎを明かすと、加藤は「わたしはピンときたところに」といった具合にテンポよく会話が弾む。第1セット5-2の場面で、加藤が正面にきた緩い球をよけきれず体に当てて失点。バランスを崩して転げ回った加藤を、穂積はちゃめっ気たっぷりに「いいかげんにしてほしいですよね」と、ちゃかした。

 11年全豪ジュニア決勝で戦った思い出の3番コートで快挙を達成。次戦は過去、全仏、全豪、全米を制している強豪だ。加藤は、ダブルス世界1位のマテックサンズについて「いつも更衣室で楽しそうにしていて、この人、本当に世界1位なのって思っちゃう」と笑った。とにかく明るい「ミユエリ」なら日本女子ペア初の決勝進出があるかもしれない。【吉松忠弘】

 ◆WOWOW放送予定 25日午前8時55分~、正午~、午後5時20分~、WOWOWライブ。男女シングルス準々決勝ほか。生中継。放送時間変更の場合あり。