リオデジャネイロ・パラリンピック車いすテニス女子シングルス銅メダルで、世界2位の上地結衣(22=エイベックス)が、全豪シングルス初優勝を遂げた。

 同パラリンピック金メダルで、同1位のグリフィユン(オランダ)に6-7、6-3、6-3のフルセットで逆転勝ち。「率直にうれしい。(優勝杯は)本当に重かった。調子も上がってきていたので、ここで取れなかったら、いつ取れるのだろうと思っていた」。この優勝で、昨年、創設されたウィンブルドンのシングルスを除き、歴史を積み重ねてきた全豪、全仏、全米の4大大会単複すべてのタイトルを手中にした。

 セットを分け合った最終セット。1-3とリードを許した。特に、第1ゲームは1ポイントも取れず失い「逆に、(取れた)第2セットのやり方を継続しようと思わなくなった」と開き直った。「相手のミスにも助けられた」と言うが、「全く覚えてない」というほど集中。武器のフォアでぐいぐい押し、5ゲーム連取で念願の全豪シングルス制覇に突き進んだ。

 勝利の瞬間は「やっと取ったってうれしかった」。手で顔をぬぐったのはと質問され「汗です(笑い)」。ただ「若干、うるって来たのは来ました」と、12年初出場で、5度目の挑戦で優勝できた感激にも浸っていた。