違法カジノ店での賭博行為で無期限の試合出場停止処分が科されていたバドミントン男子の桃田賢斗(22=NTT東日本)が416日ぶりに実戦復帰した。

 昨年4月のマレーシアオープン以来の実戦となる日本ランキングサーキット男子シングルス1回戦で和田周(26=JTEKT)と対戦。第1ゲームから21-7と圧倒すると、第2ゲームも21-8で2-0と復帰戦を完勝で飾った。

 試合終了後、観客席4方向とコートに対して深々と頭を下げた。試合後の会見では「コートに立てていることに感謝して、1球1球を大事にしながら試合をしました」と硬い表情で語った。昨晩は緊張してなかなか寝付けなかった。「苦しい時に支えてくださった皆さんの信頼を取り戻すためにも、コートに立って一生懸命頑張りたい」。報道陣にも頭を下げて、会見場を後にした。

 昨年4月、賭博行為が発覚。国から金銭的な援助を受けている立場にありながら14年10月から15年1月まで、チームメートだった田児賢一(当時NTT東日本、後に解雇)の紹介で都内の違法カジノ店を訪れ、計6回賭博を行った。日本協会から無期限試合出場停止処分を受け、金メダル候補だったリオデジャネイロ五輪に出場できなくなった。

 NTT東日本から出勤停止30日の処分が明けた昨年5月30日、練習を再開。走りこみや筋力トレーニングなどで処分前より体重を4キロ減らした。平日は本社の人事総務部で仕事をしながら社会人としてのマナーを学んだ。障害者施設を訪れたり、バドミントン教室に参加するなど社会貢献活動も行った。

 今年3月、日本協会は本人の反省と、仕事、競技への取り組みなどを考慮し、処分解除を決定。桃田は先月に、日本オリンピック委員会(JOC)の竹田会長、橋本選手強化本部長らと面談。謝罪し、初心に立ち返ることを誓っていた。