世界44位の大坂なおみ(20=日清食品)が、日本女子として初めて4大大会に次ぐ大会を制する快挙だ。同19位のダリア・カサキナ(20=ロシア)を6-3、6-2のストレートで破り、自身初のツアー優勝を“準4大大会”の快挙で飾った。

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 すごい成長だ。これまでもパワーには目を見張るものがあったが、今大会では、それに頭脳と技術が加わった。これでは、誰も大坂にはかなわない。昨年までは、相手は関係なく、自分がしたいプレーをするだけ。しかし今年に入り相手を観察し、どのショットが影響するかを判断し打ち分けるようになった。

 その典型が第1セット4-3、30-40でのサービスエースだ。速度を落とし横回転のスライスをかけ、相手から軌道が逃げていくサーブ。今までなら直球系の速いサーブで狙っただろう。相手もそう思い、タイミングを外された。体重が絞れたことで、体が締まり、動きもよくなった。以前は、一方方向だけ加速し戻れない動きが、今は加速した後すぐに減速でき逆方向へのリカバリーも早い。すでに世界1位のテニス。4大大会優勝も近い。(亜大テニス部総監督)