東京五輪・パラリンピックの選手村(中央区晴海)にあった交流施設「ビレッジプラザ」の建物に使用された木材を、提供元の自治体に返却する作業が2日、始まった。

来年2月までに約650トンの木材を29道都県63自治体に返却する。木材には大会エンブレムを焼き印。この日は第1号として約5トンの木材を乗せたトラックが岐阜県へ向け出発した。

組織委の橋本聖子会長がその様子を視察。新型コロナウイルス下での大会開催でホストタウンや事前合宿が中止され、地方が大会に直接触れる機会が失われた。橋本氏は「長い年月、ホストタウンなどの準備に携わってくれた方々、特に子どもたちがこの木材に触れ、東京大会を語り継いでいくことでレガシーになっていく。そのきっかけになればと思う」と期待を込めた。

山形市では返却された木材を使い、学校を建設することが決まっている。他の自治体では役場の住民サービスカウンターや公共施設のベンチなどに使われる予定。組織委の担当者は「外での使用となると風雨にさらされ風化する。できれば内装に使ってもらうと、刻印などが長持ちする」と述べた。【三須一紀】