東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会の元理事、高橋治之容疑者(78)が大会スポンサーの紳士服大手AOKIホールディングス(HD)側から5100万円を受け取ったとして、東京地検特捜部に受託収賄の疑いで逮捕された17日、都内で日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長(64)が取材に応じた。

「私も今日、マスコミの報道を通じて把握しただけだが、真実であれば極めて残念であると、そう思っております」と語った。

「あまり突っ込んだ発言は控えないといけない」と慎重に「東京2020大会の関係で、このような出来事が起こったことは残念。多くのスポーツ関係者もそう思っていると思います」とした。

札幌市が招致を進めている2030年の冬季五輪への影響については「こういう出来事は残念」と重ね「招致に関しては、できるだけ影響が出ないように、みんなでこれまで以上に、関係者と力を合わせて、全力を尽くしていく。それしかない」と述べた。

再び日本国内で五輪を開催するためには機運醸成が必要と強調してきたが、不透明な金のやりとりは汚職事件に発展し「できるだけ影響が出ないように、精いっぱいやる」と繰り返すしかなかった。

世界最大のスポーツの祭典から1年。今回は東京五輪の招致決定後に疑われる状況が起きていたことになる。招致の可否によるが、今後に向けて「東京2020の成功したところ、良かったところ、うまくいかなかったところ、まずかったところ、東京2020が目指そうとしたレガシー、そうした教訓を生かすしかない」とした。

「できるだけ…」の具体的な行動に関しては「冬の競技団体、オリパラプロモーション委員会がいろいろな形でやっているので、見ていただければ。これからもいろいろ計画しておりますので、見ていただければ」と話すにとどめた。【木下淳】