2016年夏季五輪開催地に立候補している4都市の大会開催能力を現地調査する国際オリンピック委員会(IOC)評価委員会は、29日(日本時間同日夜)からブラジルのリオデジャネイロを視察する。高評価を受けたシカゴと東京に続く3都市目の訪問は、弱点とされる都市インフラや分散した競技会場への関係者の輸送計画などが焦点となる。

 リオが強調するのは「南米で初の五輪開催」。しかし、開催能力には疑問点も多く、昨年6月の第1次選考では落選したドーハ(カタール)より技術的な評価は低かった。招致委員会は2007年に開催したパンアメリカン大会の「成功」をアピールするが「内実はトラブル続出で成功には程遠かった」と指摘する関係者もいる。

 競技会場は3地区に分かれ、コンパクトさが売り物のシカゴ、東京に見劣りする。輸送、通信網などの整備や市内の治安対策など課題も多く、サッカーのW杯の2年後に開くビッグイベントを国内経済が支えられるかの懸念もある。

 4日間の現地調査は主としてテーマ別に会議形式で行われ、会場視察は5月1日に実施。評価委の訪問中に1度だけ許される公式ディナーは30日に開かれる。最終訪問先のマドリードでは、5月5日から調査を行う。