来年のバンクーバー冬季五輪で活躍を期すリュージュの日本チームが3日、航空宇宙工学の技術を活用して開発された新型そりの試作品を発表した。東大や宇宙航空研究開発機構、関連企業の協力を得てできたそりに乗り、日本は女子エースの原田窓香(信州大)らが1972年札幌五輪以来の入賞を目指す。

 従来は鉄とグラスファイバーを用いた座席部分をカーボンファイバーで作り、重心と車体を低くすることに成功した。高松一彦コーチは「世界でも最高のそりと思う。直線1250メートルで、理論上は0秒4速くなる」と誇った。原田は「重心が低いのは氷に吸いつく感じ。作っていただいた方々の思いを感じた。パワーをもらった」と活躍を誓った。

 9月中旬に2号機が完成し、10月にイタリアで選手がテストする予定。その後調整して五輪本番を迎える。