フィギュアスケートのクラブで指導していた女子中学生に乱暴したとして、強姦(ごうかん)致傷罪に問われた「日本フィギュアスケーティングインストラクター協会」元理事酒井康資被告(58)の判決で、名古屋地裁は21日、懲役7年(求刑懲役8年)を言い渡した。

 判決理由で佐々木一夫裁判長は「コーチという強い立場を悪用した極めて悪質な犯行」とした上で、「被害者に心的外傷後ストレス障害(PTSD)など肉体的、精神的な傷を与えた結果は重大」と指摘。「被害者の証言は具体的で、不自然な点は見当たらない。合意の上だったなどとする被告の供述は信用性に乏しい」と述べた。

 判決によると、酒井被告は2008年4月11日未明、名古屋市瑞穂区の自宅で、スケート指導のため宿泊させていた当時13歳の女子中学生の首を両手で絞め、「大きい声を出したらスケートをやめさせるぞ」などと脅して乱暴し、1週間のけがを負わせた。

 弁護側は「性的暴行や脅迫の事実はない」などとして無罪を主張しており、控訴する方針。