シドニー五輪男子柔道100キロ級金メダリストで日本男子代表の井上康生コーチ(32)が、64年東京五輪の柔道無差別級金メダリストのアントン・ヘーシンク氏(オランダ)の死を悼んだ。2日、都内の綜合警備保障本社で帰国会見を開いた。英国留学から世界選手権(9~13日、東京)での代表帯同のため、一時帰国中の井上は8月27日に76歳で亡くなったヘーシンク氏への尊敬の念を表した。

 「会場ではよく声をかけられました。東京五輪の映像も見ましたが、優勝した瞬間、体が反り返るほど喜んでいた。でも、すぐに畳の上にオランダ人サポーターが入るのを制して、礼をして畳から下りた姿が思い出されます。そういうことからも、柔道が英語のJUDOに変わったとは思わない。惜しい方を早くに亡くされたことを残念に思う」と神妙な表情で話した。