来日中のブータンのジグメ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク国王夫妻が17日、東京都文京区の講道館を訪問した。国王は2年間の柔道経験があり、稽古前には講道館の上村春樹館長から初段の認定証と柔道着や黒帯を贈呈された。ブータン初の柔道有段者と認められた国王は「柔道は勝負だけでなく、精神鍛錬の面においても重要と認識している。今回は私の希望で見に来た」と述べ、年内にブータンに柔道連盟を創設する意向を明らかにした。

 シドニー五輪男子100キロ級金メダルの井上康生氏(33)やアテネ、北京五輪女子63キロ級金メダルの谷本歩実さん(30)らの技や子どもたちの稽古を約1時間見学した。

 国王の前で華麗な内股を披露した井上氏は「陛下は柔道の心を非常に理解されている。日本の柔道は世界のトップだと言っていただいた。貴重な経験だった」と緊張気味に話した。