京都府立網野高(京都府京丹後市)は4日、レスリング部の顧問の男性教諭(41)が、少なくとも7件の体罰を行っていたと発表した。部員から情報が寄せられ、学校として確認した。同校はアテネと北京五輪で銀メダルを獲得した伊調千春さんやアテネ五輪の銅メダリスト井上謙二さんらを輩出した強豪校。

 高橋弘校長は4日朝、全校生徒に経緯を説明し謝罪。その後の記者会見で「体罰は許されない行為。誠に申し訳ありません」と陳謝し、同日付で教諭に自宅謹慎を命じたことを明らかにした。

 高橋校長によると教諭は反省し、体罰について「やってはいけないことだと認識できていなかったのは確かだ」と話しているという。

 同校によると、2004年から12年にかけ、ほおを平手でたたいたり、腰を膝蹴りしたりするなどしていた。うち3件で、平手打ちをされた生徒が口の中を切るけがをした。体罰を受けたのはいずれも同部の男子生徒で、うち1人が体罰の後に退部した。

 高橋校長は「ほかにも体罰かどうか判断が難しい事案が複数ある」とした上で、今後は京都府教育委員会の特別調査チームに調査を委ねる意向を示した。

 教諭は高校に赴任して10年目。一貫してレスリングの指導を担当し、自宅には、生徒数人が下宿している。7件は練習中や自宅で起き「練習に取り組む姿勢や、生活態度を改善させるためだった」としている

 教諭は伊調さんの指導はしていないが、1994年度には講師として赴任し、3年生だった井上さんを部コーチとして指導した。昨年ロンドン五輪に出場した高谷惣亮さんは直接指導した。