テニスの10日付世界ランキングが発表され、9日に終了した全仏オープンの男子シングルスで日本勢として75年ぶりに16強入りを果たしたエース錦織圭(23=日清食品)が、自身の日本男子最高を更新する13位となった。前回から2つ上がり、念願の「トップ10」入りに前進した。

 全仏ではパワーが必要な赤土のコートで、体格差を技術で補った。昨年は欠場したため、今回の獲得ポイントが全て加算されたことでランキングが上がったものの、ここからの道が険しい。ランキング算出のポイントは1年で更新されるため、今後は前年以上の結果が必要になるからだ。

 順位を上げるために出場大会数を増やせば、疲労などから故障するリスクも高まる。錦織の関係者は「焦ってトップ10入りしても、そこに定着しないと意味がない」と話し、当面はことを急がずに格の高い大会に絞って臨む予定だ。

 ウィンブルドン選手権(24日開幕)では全豪オープン、全仏に続く16強に進出し、3回戦敗退の昨年より多くのポイントを稼いでトップ10への足場を築きたい。さらに8月の北米のツアー大会と全米オープンで昨年以上の好成績を残すことができれば、世界10位以内が現実味を帯びてくる。