2020年東京五輪でメーン会場となる新国立競技場計画の是非を問うシンポジウムが11日、東京都内であり、著名な建築家槙文彦さんが「(周辺は)緑が多く歴史的文脈がある地区で、新競技場の巨大さに驚いた。今後を懸念している」と述べ、計画の見直しを求めた。「ほとんどの建築家が応募できない粗雑なコンペだったと言わざるを得ない」とも批判した。

 大野秀敏東大教授も「人口が減少していく時代にふさわしいモニュメントであるべきだ。維持費なども含め規模を考える必要がある」と問題点を指摘した。

 300席用意された会場は満員となり、別室のモニターで議論を見守った人も含めて約700人が参加した。

 現在の国立競技場は全面改築され、開閉式屋根を備えた8万人収容の全天候型になる。来年7月から解体が始まり、19年に完成予定。商業施設も併設され、総工費は1300億円に上る見込み。イラク出身の女性建築家による流線形のデザインが採用された。(共同)