国際水連(FINA)の認可水着を着用していなかったため、競泳男子200メートル背泳ぎで出した1分52秒86が、世界記録に公認されなかった入江陵介(19=近大)が、世界選手権(7月26日開幕、ローマ)での雪辱を誓った。北海道合宿中の入江は23日、「少し残念な気持ちもあるが、今また楽しみな気持ちもある。世界水泳に向けて頑張っていく」とコメント。前日22日深夜のFINAの「公認しない」という発表にも動じなかった。

 5月にキャンベラで行われた日豪対抗でロクテ(米国)の世界記録を1秒08と大幅更新したが、入江が着用したデサント社の水着は、その9日後にFINAが発表した認可水着リストから漏れた。「水着に空気をためる効果を発揮する構造を作ってはいけない」というルールに抵触。同社は改良版を提出し、22日に認可されたが素材を一部変更。FINAが定める品番号も変わり、入江が着用していた水着は別物として扱われた。

 入江同様に世界記録が公認されなかった男子100メートル自由形のベルナールとフランス水連は、CAS(スポーツ仲裁裁判所)への提訴も視野に入れているというが、日本水連の佐野会長は「CASに訴える可能性は低い。日本が先頭に立って動くことはない」と、他国の動きに合わせて方針を決める考えを示した。