<競泳:日本学生選手権>◇2日目◇5日◇熊本市総合屋内プール

 男子400メートルメドレーリレーの9~16位決定レースで近大の第1泳者、入江陵介(19)が52秒24で泳ぎ、100メートル背泳ぎの日本新記録をマークした。従来の記録は7月28日、世界選手権(ローマ)で古賀淳也(早大)が金メダルを獲得した際に出した52秒26。男子200メートル自由形は、世界選手権4位の内田翔(法大)が自身の日本記録から1秒69遅れる1分46秒93で優勝した。

 男子400メートルメドレーリレーの近大は決勝進出を逃し、9~16位決定レースに回った。しかし、第1泳者の入江の気持ちは高ぶっていた。直前の女子400メートルメドレーリレーで近大が優勝し「自分もやってやるという気持ちになった。日本新を狙った」。同僚の活躍が、世界選手権男子200メートル背泳ぎ銀メダリストを刺激した。

 今大会に照準を合わせたわけではないが、気持ちが乗って体が動いた。50メートルの折り返しは「今までで一番速い」25秒60。大舞台ではなく過度の重圧もなかった。道浦コーチは「(苦手の)ターン後の浮き上がりで力みが出なかったのが良かった」。日本記録でライバル古賀の世界選手権100メートル背泳ぎの優勝タイムを0秒02上回った。

 世界選手権後から自由形の練習を多く取り入れ、その効果も感じた。「自由形は背泳ぎよりもキックを速く打つからしんどい。その分背泳ぎで楽に感じられる」と入江。6日の最終日は、100メートル背泳ぎで世界選手権を制した古賀と再戦する。同選手権で4位に敗れた日本のエースは「きょう以上のタイムを出したい」と意気込んだ。