<トライアスロン:W杯石垣大会(日刊スポーツ主催、NTTジャパン杯第1戦)>◇25日◇沖縄・石垣

 12年ロンドン五輪に向けて、アラフォーの星が誕生だ!

 00年シドニー五輪から3大会連続五輪代表の庭田清美(アシックス・ザバス)が、39歳で念願のW杯初優勝を遂げた。ランの最終周でスパートし、2時間7分21秒でゴール。日本トライアスロン連合によると、39歳でのW杯優勝は男女を通じて最年長記録で、日本女子3人目のW杯優勝となる。

 庭田がゴールで会心のガッツポーズだ。日本女子の先駆者が、競技歴17年目でようやくW杯で勝った。「優勝なんて考えていなかった。信じられない」。W杯初出場の96年蒲郡大会以来、出場したW杯や世界選手権は60回以上になる。

 最初のスイムの11位から、バイクが終わって4位に上がった。最後のランでは庭田とブラッチフォードの一騎打ちになったが、庭田の経験が上回った。「相手の息遣いを聞いたら、行けそうだった」。最終周の残り約3キロでスパートし、そのままトップで飛び込んだ。

 今年の2月に体調を崩した。「酸欠のような状態が続いた」。ジョギングもできず、同11日のシドニー大会は途中棄権。それが、最も好きな今大会で「体が急に軽くなった」。10歳前後も年下の選手たちを、軽々と置き去りにした。

 これまで何度も引退を考えた。練習量も、以前は1週間に100キロ前後走ったのが、今は50~70キロ。「疲れも取れにくくなったし、昼寝も必要」。しかし、目指すは41歳でのロンドン五輪出場だ。「これが(五輪は)最後のチャレンジ」。不屈のアラフォーが、4大会連続の五輪出場に大きなステップを踏み出した。【吉松忠弘】