北京五輪陸上男子ハンマー投げ5位の室伏広治(35=ミズノ)の繰り上がり銅メダルの可能性が再び浮上してきた。国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ副会長は17日、ドーピング違反が覆ったベラルーシ2選手に対し保管する予備検体を使って再検査を検討していることを明らかにした。同副会長は「2選手の予備検体が検査可能な状態かどうかを確認している」と引き続き追及の構えだ。

 2位のデビャトフスキーと3位のチホンからは、競技後のドーピング検査で筋肉増強効果のあるテストステロンが検出された。しかし、スポーツ仲裁裁判所(CAS)は分析の手順に不備があったとして、失格とメダルはく奪の処分を覆す裁定を下した。CASが両選手のテストステロン使用を確認しながら“無罪”としたことに、バッハ副会長は「理解できない。非常に失望している」と語った。