<女子テニス:HPジャパン女子オープン>◇最終日◇16日◇大阪・靱テニスセンター

 41歳のクルム伊達公子(エステティックTBC)が「15年ぶりV」を果たした。張帥(22=中国)とのペアで臨んだダブルス決勝は、第1シードのバニア・キング(米国)ヤロスラワ・シュウェドワ(カザフスタン)組との攻防を7-5、3-6からのマッチタイブレークで11-9と制した。クルム伊達のダブルスでのツアー優勝は、杉山愛と組んだ96年ジャパンオープン以来2度目となった。

 クルム伊達が昨年のウィンブルドンと全米を制した強敵ペアを破り、15年ぶりのダブルス優勝。日本人女子として最高齢記録だ。「高校時代を過ごした関西で優勝できてうれしい。41歳とはいえ、まだ成長していければ」。自虐的に年齢を出し、会場を沸かせた。

 タイブレークが真骨頂だった。2-3から拾ってつなぎ、6連続ポイントで逆転し「体はいい状態でなくても決勝なので乗り切れた」。8月に痛めた左手甲にはテーピング。前日15日の準決勝終了は、悪天候の影響で午後11時。「雨」にも「ケガ」にも、戦う気力は負けなかった。

 1月の全豪で「単複はしんどい」というクルム伊達を張帥が口説いてペア結成した。自分がプロになった89年に生まれた相棒を「生徒」のように、プレー中は厳しく何度もアドバイスする。「彼女の成長する姿と勝負強さに支えられている」という「伊達先生」は優勝の余韻に浸る間もなく、この日のうちに次なる戦いの地ルクセンブルクへ向かった。【近間康隆】