女子テニスでアラフォーの星、クルム伊達公子(41=エステティックTBC)が、最後の五輪出場に向け、臨戦態勢に入った。2008年(平20)に、現役復帰の場として選んだツアー下部大会のカンガルー杯(5月1日~・岐阜)に、4年ぶりに出場することが20日、分かった。すでに、エントリーを終えている。

 クルム伊達は、現在、世界84位。このままでは70位前後がボーダーラインといわれる世界ランクでの五輪出場権に届かない可能性がある。今年、ツアー出場は7大会で初戦を突破したのは2大会だけ。初戦敗退では世界ランクのポイントは1点しか入らない。一方、ツアー下部大会とはいえカンガルー杯なら優勝すれば70点が入る。

 同大会はクルム伊達がもっとも得意とするハードコート。出場選手でトップ100はクルム伊達を含め2人だけ。十分に優勝を狙える位置にいる。世界ランクのポイントは有効期限が獲得した週から1年。来週から6月11日までにクルム伊達が失うのは10点だけで、70点の上乗せは大きい。

 本来ならこの時期は5月27日開幕の全仏に合わせ、クレーコートで調整するのが世界ツアーの流れだ。しかし、五輪出場を考えれば全仏前に少しでも世界ランクを上げておきたい。村上武資五輪代表監督も「五輪に照準を合わせた出場です。少しでもポイントを稼ぎたいところ」と話す。もし五輪に出場すれば96年アトランタ大会以来4大会ぶり。驚異の41歳に、また驚きの勲章がひとつ加わる。

 ◆テニスの五輪出場権

 男女ともにシングルスは64人が出場。そのうち56人が全仏直後の6月11日の世界ランキングで選ばれる。1カ国最大4人まで。おおよそ世界70位前後が出場権獲得の目安といわれている。残りの8人は国際テニス連盟(ITF)の推薦が6人、ITF、国際オリンピック委員会、各国のオリンピック委員会の代表が形成する三者委員会の推薦が2人。