柔道ロンドン五輪女子代表に、異例の“仮想外国人”が相手についた。19日、熊本・八代市での強化合宿を公開。48キロ級の福見友子(26)ら7人に、日体大の男子選手が練習相手として参加した。女子の重量級は男子と稽古を行うことが多いが、軽・中量級の選手では異例。4年前の北京五輪前は単発で取り入れたが、今回は五輪まで初めて、全合宿で行うという。

 日本女子の園田監督は「女子同士だと(一方的に)投げるだけで、受けの感覚を覚えない。投げに行って切り替えされるとか、さばき方を覚えてほしい」と狙いを明かした。18日から始まった合宿で、用意した7人の男子選手には各階級の強豪選手の映像を見させ、仮想海外勢の役回りを演じさせた。福見は「すごい上手で助かっている。外国人と戦うことをイメージしながら、それぞれのスタイルにしっかり勝っていけるよう対策したい」と話した。

 五輪まであと2カ月。稽古が激しくなれば、ケガの不安も増してくる。だが「1個の金メダルを取るのは楽じゃない。2カ月、甘やかしても仕方ない。(ケガが)怖いが、やらないと勝てない」と同監督。全階級で金メダルを奪うため、男子という壁に挑む。【今村健人】