「北島2世」こと競泳男子平泳ぎの山口観弘(17=鹿児島・志布志DC)に、日本水連から異例の世界記録指令が飛び出した。16年リオ五輪の新星は、今月17日の全国高校総体200メートルでロンドン五輪銅メダル記録の2分7秒84(世界歴代7位)で制すると、26日のジュニア・パンパシフィック選手権(米ハワイ州ホノルル)でも2分8秒03の大会新記録で優勝。しかもスタート台は踏み切り板のない旧タイプで風の影響を受けやすい外プールという悪条件だけに、実質的には「2分7秒台」の好記録だ。

 この山口の大ブレークに、日本水連が本気になった。同行する平井伯昌コーチと協議した上野広治競泳委員長は27日、来月の国体(岐阜、9月15~17日)での仰天プランを明かした。「鹿児島には帰さず、都内で調整して国体で世界記録を狙わせる」と宣言。山口は28日に帰国し、29日のJO杯(東京・辰巳)の200メートルに出場した後、そのまま都内で平井コーチのもとで練習を続けるという。

 世界記録は、ロンドン五輪を制したジュルタ(ハンガリー)の2分7秒28。高速水着が禁止された10年以降、7秒台はこのジュルタと五輪銀のジェーミソン、そして山口の3選手だけ。しかも「7秒台」の連発となれば、山口しかいない。かつて北島が保持した200メートル平泳ぎの世界記録。その奪還指令が、17歳の山口に下された。【佐藤隆志】