<テニス:全仏オープン>◇第14日◇8日◇パリ・ローランギャロス

 女子シングルス決勝で、第1シードのセリーナ・ウィリアムズ(31=米国)が11年ぶり2度目の優勝を飾った。2連覇を狙った第2シードのマリア・シャラポワ(26=ロシア)に6-4、6-4で勝ち、1968年のオープン化以降で最年長の全仏女王となり4大大会制覇は通算16度目となった。シャラポワは通算5度目の4大大会優勝が懸かっていた。優勝賞金は150万ユーロ(約1億9500万円)。

 20歳で初優勝してから11年。昨年のウィンブルドン選手権、ロンドン五輪、全米オープンを制した勢いで、S・ウィリアムズが赤土の舞台で再び頂点に立った。この試合10本目の強烈なサービスエースを決めるとガッツポーズ。「11年後にまた優勝できるなんて、私も信じられない」と言葉を震わせた。第一線で長く活躍し、4大大会では16個目のタイトルを手にした。

 毛嫌いしていた赤土に前向きに取り組むようになった心境の変化は、フランス人コーチの存在が大きい。試合後のインタビューもフランス語で受け答えする。「アフリカで仕事をしたくて、昔から勉強していた」と話すが、昨年はコーチと交際報道もあった。心身の充実がプレーに反映されていることは間違いない。「私はパリが大好き。これでパリっ子になった気分。来年もここに戻ってきて、優勝したい」。満面の笑みでファンの声援に応えた。

 ◆セリーナ・ウィリアムズ

 1981年9月26日、米ミシガン州出身。4大大会は99年に全米で初制覇し、02年全仏から03年全豪オープンまで4連勝。昨年のロンドン五輪で金メダルを獲得し、女子でグラフ(ドイツ)以来2人目の4大大会全制覇と合わせた「生涯ゴールデンスラム」を達成。175センチ、70キロ。