4月の出産を経て14年ソチ五輪出場を目指しているフィギュアスケート元世界女王の安藤美姫(25=新横浜プリンスクラブ)が、産後初めて1つの演技で2回のジャンプを跳んだ。13日に東京・ダイドードリンコアイスアリーナで開かれた「プリンスアイスワールド」第2日にゲスト出演。「オペラ座の怪人」の劇中歌をバックに滑った午後の部で、2回宙に舞った。

 序盤の3回転サルコーはタイミングがずれて1回転になった。これが悔しかったのか、後半に意地をみせる。体力的にきつい中で同じジャンプに挑むと、青色の衣装をはためかせながら、見事に成功させた。

 4月に第1子となる女児を産み、5月に練習を再開して約2カ月。出産で落ちた筋力、骨格の変化を感じながらも、育児と両立しながら練習を積んできた。6月に入りショーに出演。これまではジャンプは1回に抑えてきたが、1つの階段を上った。

 女児の父、名前は公表しない方針で、この日のショーでも交際がうわさされるプロスケーター南里康晴と“共演”した。リンク外の関心が高まる中でも、リンク内では競技者として確実に復調を証明する。母として、また次の段階へと踏み出す。【阿部健吾】