スピードスケートで「ママで五輪」を目指す岡崎朋美(42=富士急)が、来年2月のソチ五輪に向け今度こそ「子離れ」する。1日、北海道・帯広での練習後、本人が明言した。W杯代表を逃した10月27日の夜、家族会議が開かれ決まった。昨季、前半戦で1度は2歳の長女杏珠(あんじゅ)ちゃんを家に残し、1人での遠征を試みたが、寂しさから断念した経緯があるものの「アスリートにならないと五輪は厳しい」と強い決意を口にした。

 苦渋の決断だった。五輪代表に近づくW杯代表選考がかかった10月下旬の全日本距離別選手権(長野)女子500メートルで6位に終わり、5枠ある代表から漏れ、6度目の五輪へ崖っぷちに立たされた。今季はこれまで遠征などに長女を帯同してきたが、練習以外のすべての時間を娘に費やし、練習後のケアもままならなかった。疲れが取れず思うような結果が出せなかったことから、競技に集中するため、今遠征から再び娘を親族に預け勝負に出る。

 帯広に出発する同30日。娘に「ママの子供だから大丈夫だよね?」と言うと、はじめは渋っていたものの「頑張る」と気丈に振る舞ったと言う。娘もまた母とともに戦っている。「結果を出すことも母親の仕事だと思ってやるしかない」と話す。

 勝負の五輪代表選考会(長野、12月27日開幕)まで約2カ月しかない。同種目で五輪代表4枠に入るには、最低でも38秒5台が求められる。「期間は短いけど、どれだけできるかチャレンジしたい」。逆転で五輪代表を引き寄せ、娘に母は強しを見せる。