<男子テニス:バルセロナ・オープン>◇26日◇バルセロナ

 世界17位の錦織圭(24=日清食品)が、日本男子単独最多7度目のツアー決勝進出を果たした。同23位のエルネスツ・ガルビス(ラトビア)に6-2、6-4の1時間25分でストレート勝ち。クレーコートでは、11年全米男子クレーコート選手権以来、欧州では初の決勝進出となった。この勝利で、28日発表の最新世界ランクで13位以上が確定した。

 揺るぎない勝利だった。1度も自分のサービスゲームを落とすことなく、世界屈指のパワーヒッターにストレート勝ち。3度目のマッチポイントが決まると、「好結果が出て自信になる」と力強くガッツポーズで、ツアー通算7度目の決勝進出を祝った。

 ガルビスは時速200キロを超えるサーブで、今年のエースの数は246本と世界5位。しかし、錦織のリターンは、ガルビスを上回る世界4位の奪取率だ。この日もガルビスのサーブに対し、完璧なリターンでサーブを粉砕した。

 滑り出しはガルビスのサーブに手を焼いた。1ポイントも奪えず、第1ゲームを奪われた。しかし、1度リズムをつかめば「ストロークで負けなかった」。第1セットの第4ゲームから5ゲームを連取。第2セットも4オールから2ゲームを連取し、押し切った。

 トーマス島田と並んでいた日本男子最多ツアー決勝進出回数を更新し、7度目は単独最多となった。ただしトーマス島田の記録はすべてダブルスで達成されたもの。錦織はすべてシングルスで、世界での評価は、比較にならないほど大きい。

 今大会は全仏の前哨戦として、53年から始まった61年の歴史を誇る欧州の伝統的なクレーコート大会だ。05年から全仏8度の優勝を誇るナダルが今大会でも8度の優勝を遂げるなど、全仏の行方を占うのにも大きな意味を持つ。「欧州で決勝に残れるのはうれしい」。その歴史に、錦織が初の決勝進出で名前を刻んだ。

 念願のクレーコート初タイトルに王手をかけた。11年全米クレーコート選手権で決勝進出があるが、この時は準優勝に終わった。「クレーコートでの初タイトルを狙っていきたい」。その先には、全仏というクレーコート最大の舞台が待っている。

 ◆ナダル敗退

 シングルス準々決勝で世界ランキング1位の第1シード、ラファエル・ナダル(スペイン)が第6シードのニコラス・アルマグロ(スペイン)に6-2、6-7、4-6で逆転負けする波乱があった。