【パリ24日=吉松忠弘】テニスで日本男子初のトップ10入りした世界ランク10位の錦織圭(24=日清食品)が、意地の強行出場だ。4大大会の第2戦、全仏オープンは今日25日に開幕する。会見に臨み「4大大会じゃなかったらスキップした。今は100%出るつもり」と現状を明かした。

 錦織は、5月に準優勝したマドリードオープンで左股関節の痛みが再発。左ふくらはぎも痛め、拠点とする米フロリダで約2週間、治療した。「毎日、良くなっているが、まだ100%じゃない」。フロリダでは「ラリーはせず(コーチに)球を出してもらっていた」と、本格的な練習は22日にパリに入ってからだ。

 会場での約1時間の練習では、前日よりも動きが格段に良くなった。サーブ練習も初めて行い「出られない痛みではない。できる限りのことはやっている」。初戦の同62位のクリザン(スロバキア)には「簡単な1回戦ではない。タフな相手」と気を引き締めた。

 89年に17歳3カ月の4大大会史上最年少で全仏に優勝したチャン・コーチから助言があった。「(優勝した時は)初戦から痛みがあった。でも途中で痛みが消えたと話してくれた」。通常のツアーなら欠場だったが、歯を食いしばって今季絶好調のクレーの頂点に挑む。