<テニス:ウィンブルドン選手権>◇第8日◇1日◇ロンドン・オールイングランド・クラブ◇男子シングルス4回戦

 【ウィンブルドン=吉松忠弘】日本のエースで世界12位の錦織圭(24=日清食品)が、28日開幕の米国シリーズでトップ10復帰に挑む。第8日の4回戦で同9位のラオニッチ(カナダ)に6-4、1-6、6-7、3-6で敗れた。しかし、初の16強進出で、続く得意のハードコートでの米国シリーズは爆発の予感だ。

 芝は難しい。これが、錦織の実感だろう。自信はついたが、ものにするまではまだ遠い。ラリーの中で組み立て、“楽しむ”テニスに結びつかない芝は、錦織にとって欲求不満がたまる。「悔しい。来年は、これ以上にいきたい」。35本のエースをたたき込まれ、4回戦で敗れた。

 短期決戦、単発ショットの爆発力が物を言うのが芝だ。4回戦も、第2セットの第2ゲーム目のわずかなミスが明暗を分けた。錦織のサーブで30-0。そこから2本の簡単なバックをミスした。「そこが一番悔しい。流れが行ってしまった」。錦織がサーブを落とし、相手はよみがえった。

 しかし、3回戦の壁は越えた。続く米国シリーズはハードコートだ。昨年、初のトップ10入りを前に、重圧で4戦して3勝4敗。負け越した。今年は、5月に初のトップ10入り。その重圧もなくなった。

 昨年、同時期に奪った世界ランクのポイントは少ない。今年、上位進出すれば、それだけポイントも上積みできる。「自信もついている。米国で結果につなげたい」。7日発表の最新世界ランクでは11位が確定的。トップ10復帰は、米国シリーズで射程内だ。