<男子テニス・マレーシアオープン>◇第6日◇27日◇クアラルンプール・プトラスタジアム

 全米準優勝後初の大会で、世界8位の錦織圭(24=日清食品)が今季ツアー5度目、通算では10度目の決勝進出を果たした。準決勝で同57位のニエミネン(33)に第2セットを落としたが、6-3、4-6、6-2の1時間37分で下した。決勝では、今季3勝目をかけて同28位のベネトー(32)と対戦する。

 歴史をつくった男は簡単に負けない。打ち合いを制し、錦織が決勝進出を決めた。今大会3試合目にして初めてセットを落としたが、最後はたたみかけた。「タフな試合だったが、決勝は(第1シードなら)当然ちゃ当然」。少しの苦戦では自信は揺らがない。

 少しだけひるんだ。捨て身で挑んできた33歳のベテランに、第2セットは受け身に回った。それでも「しっかり集中し直した」と、最終セットから切り替えた。3ゲームを連取し「決勝では、もっと積極的に行きたい」と少し反省だ。

 「チャレンジ」と言っていた。全米準V後の大会で第1シード。どれだけ気持ちを高め、重圧の中で結果を出せるか。「チャレンジ」は自分に課したテストだった。優勝して当然の大会で「それを簡単にこなせるのがトッププレーヤー」と、合格点には残り1勝だ。

 これで今季5度目の決勝進出だ。フェデラー8度、ナダル7度に続き、ジョコビッチと並んで3番目の多さ。世界のトップ3と引けを取らない成績が、今年の好調を物語る。「大会の大きさも自覚している。優勝する」。今季3度目の栄冠とともに東京に凱旋(がいせん)帰国する。【吉松忠弘】