<男子テニス:パリマスターズ>◇第5日◇10月31日(日本時間1日)◇フランス・パリ◇シングルス準々決勝

 世界7位の錦織圭(24=日清食品)が、シングルスでアジア男子初のツアー最終戦ATPツアーファイナルの出場を確定させた。同6位で昨年準優勝のフェレール(スペイン)に、残り2ポイントで敗退まで追い込まれながら、2日にわたる2時間43分の激闘の末、3-6、7-6、6-4で逆転勝ちしベスト4に進出。自らの手で年間上位8人による世界最強決定戦の出場権を獲得した。

 最終戦出場は、年間世界1位とともに、その年の8人だけに許された最高の勲章だ。世界ランキングや賞金についても、ビッグなボーナスが付いてくる。世界ランキングのポイントは、予選リーグ1勝につき200点。準決勝に勝てば400点、決勝に勝てば500点で、5戦無敗で優勝なら4大大会準優勝より300点も多い1500点が入る。

 現在世界7位の錦織にとって、世界のトップ4入りする絶好のチャンスだ。上位4人に入り、来年を迎えれば、1月の4大大会開幕戦全豪で、4シードまでがつく。上位4シードは、お互いに準決勝まで対戦しない組み合わせで、ジョコビッチらと早期ラウンドでの対戦を避けられる形だ。

 層の厚い男子は初戦から気が抜けない。しかし、下位選手相手に少しでも力を温存できれば、準決勝からエネルギー全開。4大大会初優勝も狙える位置となる。

 賞金も、最終戦は破格だ。出場するだけで15万5000ドル(約1710万円)が手に入る。予選リーグは1勝につき同額が稼げる。5戦無敗の優勝で207万5000ドルの賞金額だ。錦織は、パリ大会前までに、今年約380万ドル(約4億2000万円)を稼いだ。パリ大会の賞金も含め、超一流選手の仲間入りといわれる年間獲得賞金500万ドル(約5億5000万円)到達も夢ではない。

 ◆ツアー最終戦

 正式名称ATPワールドツアー・ファイナル。70年に始まった年間世界最強決定戦。11月9日からロンドンのO2アリーナで行われる。出場権を争うレースは、年頭は全選手が0点でスタート。成績上位18大会の合計点で争い、最終8人だけが出場できる。まず最終順位上位7人が出場権を得る。残り1枠は、8位から20位までにいる4大大会優勝者に割り当てられる。その条件に当てはまらない場合は、8番目の選手が出場権を得る。

 試合方式は、8人を4人ずつ2組に分けた総当たり戦。パリ終了時点の世界ランクで、上位2人が2組に分かれる。それ以降は、3と4、5と6、7と8番目の選手が抽選で振り分けられる。各組上位2人が準決勝に進み、トーナメント方式で優勝者を決める。賞金総額は650万ドル(約7億1500万円)。無敗で優勝すれば207万5000ドル(約2億2800万円)が手に入る。