国際ラグビーボード(IRB)は28日、ダブリンで開いた理事会で日本を19年W杯の開催地に決めた。アジアでのW杯開催は初めて。日本は11年大会に立候補してニュージーランドに敗れており、2度目の挑戦で悲願達成。IRBは今回初めて2大会の開催地を同時に選び、15年大会はイングランドに決まった。

 大会を運営する「W杯リミテッド(RWCL)」は15年大会にイングランド、19年大会に日本を開催地として推薦することを6月末に決め、招致成功が有力視されていた。2大会を対象にした今回の招致争いには日本やイングランド(15年大会のみ)のほかイタリア、南アフリカの4協会が名乗りを上げていた。

 W杯は87年の第1回大会から4年ごとに南半球と北半球で交互に開かれ、欧州と南半球のラグビー伝統国・地域のみでの開催が続いていた。世界的な競技普及を目指すIRBと、「ラグビーのグローバル化」をスローガンに招致活動を続けた日本の主張が合致。6月に日本で開催したU-20(20歳以下)世界選手権で観客数が10万人を超え、運営能力の高さも評価された。

 さらに7人制でラグビーを五輪競技へ復帰させようとする動きも追い風となった。16年夏季五輪の追加2競技を決める国際オリンピック委員会(IOC)総会が10月に開かれるのをにらみ、IRBは開催地の決定を通常の11月から7月に前倒し。IOCへの「国際化」のアピールは、日本の招致成功にも大きく寄与した。